近畿米粉食品普及推進協議会
設立趣意書
 
           
   
  最近、我が国では栄養バランスの偏りや脂肪の摂取過剰を原因とする肥満や糖尿病などの「生活習慣病」が増加し、深刻な健康問題となっています。日本人の主食であるお米の消費量は、ここ40年ほど減少の一途をたどり、ピーク時の約半分近くまで減少しています。脂肪によるエネルギー摂取量の増加に伴い、日本の食料自給率は年々減少し、主要先進国のなかで最低の水準になってしまいました。

  一昨年、国は「食生活指針」を策定して、脂質の取り過ぎを抑え、ごはんなどの穀類をしっかりと摂って、食事のバランスを改善して、我々一人一人の健康増進、生活の質の向上、食料の安定供給の確保を図る運動を進めています。 食の安全・安心に関心が高まっている昨今、国内の農産物に対する消費者のニーズは極めて大きくなっています。お米は、日本の気候・風土に適し、国内で自給できる数少ない農産物です。日本の食文化であるお米を中心とした穀類の摂取が、健康増進を図るうえからも重要だと考えます。ここでもう一度お米の良さを見直すべきではないでしょうか。

  最近、お米を粉末にした米粉を使って、西洋食の原点である「パン」を作ることが全国的に広まってきています。本年1月、近畿農政局と大阪食糧事務所が「普及し始めた米粉パンは米消費拡大の切り札」と銘打って食料自給率の向上を考えるシンポジウムを開催しました。参加者の多くの方々から、「米粉パンはモチモチ感があって、小麦粉パンよりおいしい」、「日本料理にマッチする」、学校給食に導入して子供達に良い食習慣を体験させていけば、自給率の向上にも繋がる」などの力強い意見をいただきました。
  一方、米粉はパンばかりでなく、豚まん、ロールケーキ、和菓子、クリームシチウ、ピザ、パスタ等にも使え、小麦粉に代わりうる食品材料として、多種多様な食品への活用普及が急速に進んでいます。

  この気運の高まりを地域全体の行動にするため、パン業界をはじめ、製粉、製パン機械、外食産業、食品製造業等の関係業界と生産者団体、消費者、学校給食関係者、行政等を含めた米粉に熱い思いを寄せる志のある方々の結集により、「近畿米粉食品普及推進協議会(仮称)」を設立し、自らの行動で米粉食品の普及を通じて、私たちの食生活を改善し、健康増進を図るとともに食料自給率の向上をも実現したいと願うものです。従来の既成概念であるお米=ご飯という粒食文化に加え、お米の粉食文化を確立しようではありませんか。

  ここに思いを同じくする方々とともに協議会を設立するため、本会に賛同される同志としてご協力賜りたく、謹んで呼びかけをさせていただく次第であります。
     
   
近畿米粉食品普及推進協議会設立発起人会一同